スポーツ吹矢は健康を目的としたスポーツです。その源は腹式呼吸を取り入れた「スポーツ吹矢式呼吸法」にあります。「スポーツ吹矢式呼吸法」を最大限に行うための動作が「基本動作」であり、スポーツ吹矢の実技の根幹を成す「型(かた)」です。この中に健康に向かっての「心技練磨」があり、極意があると言っても過言ではありません。
基本動作は「礼に始まり礼に終わる」一連の動作です。この動作が美しい形を作り、深い呼吸をもたらし、集中力を高めて体に活力をもたらすのです。「基本動作」を通じてスポーツ吹矢の型とスポーツ吹矢式呼吸法を学んでください。なお、体が不自由な方が基本動作を行う場合には、障害の程度により、公認指導員が適切なアドバイスを行うようにします。
スポーツ吹矢の基本動作は次の通りです。
1 | 礼をする | 的に向かい一礼します |
2 | 構える | 足を肩幅に開いて構え、矢を筒に入れます |
3 | 筒を上げる | 両腕で筒を高く上げながら、鼻から息を吸います |
4 | 息を吐く | 筒をゆっくり下げながら、口から息を吐ききります |
5 | 息を吸う | 的を見て息を吸いながら、筒を的に向けます |
6 | 吹く | 一気に吹きます |
7 | 息を調える | 呼吸を調えます |
8 | 礼をする | 的に向かい一礼します |
以上、一連の基本動作を正しく行うことによって集中力が高まり、深い腹式呼吸ができ て、心と体に素晴らしい効果がもたらされるのです。
■1 礼をする 的に向かい一礼します
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■2 構える 足を肩幅に開いて構え矢を筒に入れます
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■3 筒を上げる 両腕で筒を高く上げながら鼻から息を吸います
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■4 息を吐く 筒をゆっくり下げながら口から息を吐ききります
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■5 息を吸う 的を見て息を吸いながら筒を的に向けます
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■6 吹く 一気に吹きます
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■7 息を調える 呼吸を調えます
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■8 礼をする 的に向かい一礼します
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スポーツ吹矢の「基本動作」の要領は以上ですが、この動作に続いて行うことを説明します。使用する道具は、一般社団法人日本スポーツ吹矢協会公認の用具を前提とします。 | |
1〉矢抜きと採点 | |
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5本吹き終わり一礼がすんだら、採点をします。 |
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はじめは矢が的に刺さっていれば大成功です。 |
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的の中心の白い部分は7点(中央の黒点も7点)。赤の部分は5点です。その外側の白い部分は3点、外側の黒い部分は1点です。境界線にあるものは高いほうの得点で判定します。段級位については、「級位及び段位認定制度規則」を参考にしてください。 |
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採点が終わったら「矢抜き」を矢に差し込んで抜きます。 |
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刺さっている矢の根元をおさえ、逆の手で慎重に抜きます(写真A)。 「矢抜き」の使用は義務付けられてはいません。手指で矢を抜いても構いません。 |
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抜いた矢は自分の「矢入れ」にもどします。 |
2〉筒の掃除 | |
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筒に矢を入れて何本か吹いていると、呼吸に含まれる水分が筒の内部について結露の現象が発生します。この状態の筒に矢を入れると筒の中に貼りついたような状態が起こって、吹いたときに正常に飛ばない場合があります。 |
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これを避けるためにパイプクリーナーを使用します。 |
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1ラウンド・5本を吹いたら掃除をして(写真B)筒の内部の水分を拭うことを習慣にしてくさい。また、このために使用する布については衛生面に配慮し、適時に交換してください。 |
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3〉矢の状態の確認 | |
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筒の掃除が終わったら矢の状態を確認することを習慣にしましょう。 |
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矢は使っているうちに変形したり、先端についている釘が抜けたりすることがありますこのような状態で吹くと正しく飛びません。 |
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釘に接着材をつけて補修することになりますが経験者に助言を求めてください。変形した矢は、「矢抜き」を差しこんで直すことが可能な場合もありますので工夫してみてください。 |
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筒と矢の太さとが合っていることが大切です。一般的には垂直にした筒に矢を落とし入れたとき、ズーと小さな摩擦音たてながら落ちていく程度の太さが適当です。 しかし人によって太さの好みもあります。太さはゲージを使うか、矢の尾の部分を少しずつ切って調整して下さい。 |